働き方改革やテレワークの推進によるオフィス分散化の拡大など、ビジネス環境の急速な変化に伴いオフィスに求められる役割も刻々と形を変えつつあります。
そんな中「レンタルオフィス」は、優れたコストパフォーマンスと柔軟性に加え、プライバシーを担保できるオフィス形態として、大手企業のサテライトオフィスから独立開業まで、様々なシーンで選択されています。
では、レンタルオフィスはその他のオフィス形態と具体的にどう違うのでしょうか。
この記事では、レンタルオフィスの定義を抑え、特長や利用に向いているケースをご紹介します。
最後までご覧いただくことで「レンタルオフィスとは何か」を正しく理解し、最適なオフィス選びにお役立ていただけます。
まず、この記事の全体を俯瞰しましょう。
「手早く、スマートなレンタルオフィスを抑えたい」という方は、リージャスのレンタルオフィスがおすすめです。
国内最多170拠点以上・世界最多の3,400拠点を展開するリージャスのレンタルオフィスについては、以下からご確認いただけます。
代表的なオフィス形態として、以下が挙げられます。
賃貸オフィスは、賃貸契約に基づいて自社の専有スペースを賃借する形態です。
「自社オフィス」を借りることで、取引先から信頼を得やすいというメリットがあります。
その反面、契約金や設備費用にかかるイニシャルコストが高く、契約期間による制約が生じる点がデメリットです。
一定規模の従業員を有する企業に向いています。
自宅オフィスは、自宅を職場とするオフィス形態です。
リモートワークの普及に伴い、個人事業主の独立開業など小規模創業の際に取り入れられるケースが目立ちます。
初期費用・賃貸料がかからず、極めて短期間で事業を開始できる点がメリットです。
一方、取引先や公的機関からの信用を得にくい傾向があるというデメリットがあります。
レンタルオフィスは、賃貸オフィスや自宅オフィスのデメリットを補うことができます。
契約金や設備費用が低いだけでなく、利用スペースの拡大・縮小が容易なため業績に応じたコスト調整が可能になります。
またレンタルオフィスは法人登記に利用できる場合が多く、打ち合わせスペースなども完備されている場合がほとんどです。
したがって、コストと工数を抑えつつ、作業スペースを確保したい方はレンタルオフィスなどのフレキシブルオフィス(柔軟な契約形態を持つオフィスの総称)を選択肢に加えるのがおすすめです。
分類 | レンタルオフィス | シェアオフィス コワーキングスペース |
バーチャルオフィス | サービスオフィス |
主な利用者 | 一般企業 ベンチャー企業 士業 個人事業主 |
ベンチャー企業 個人事業主 フリーランス |
ベンチャー企業 個人事業主 フリーランス |
外資系企業 一般企業 |
利用人数 | 1人~十数人 | 1人~ | – | 1人~数十人 |
利用料(相場) | 中 | 中 | 低 | 高 |
支払いサイクル | 1時間~ | 1時間~ | 1カ月~ | 1カ月~ |
利用スペース | 専有 | 共有 | – | 専有 |
レンタルオフィス・サービスオフィスはどちらも専有スペースの利用をメインとしたオフィス形態です。
またシェアオフィスとコワーキングスペースはそれぞれ共有スペースの利用がメインであり、この2つは同義として扱われることもあります。
バーチャルオフィスは、最も限定的な用途を想定したオフィス形態です。
ここからは、レンタルオフィスをシェアオフィス・コワーキングスペース・バーチャルオフィスと比較して、違いやメリットを掘り下げていきましょう。
シェアオフィス・コワーキングスペースは、作業空間を共有するオフィス形態で、個室の利用が契約に含まれていない点がレンタルオフィスと異なります。
デスク単位で契約する固定デスク制、空いている席を他の利用者と共有するフリーアドレス制などの利用タイプがあり、組み合わせて利用できる場合もあります。
シェアオフィス・コワーキングスペースでは備品の保管や固定電話の利用に対応していない場合が多く、貴重品の管理にも注意が必要です。
また、共有スペースでの作業になるため雑音や周囲の視線にさらされやすく、機密情報の保管や会話の内容など、プライバシーに配慮が必要となります。
メリットとしては、レンタルオフィスに比べて料金相場がさらに安いこと、入居者間のコミュニティによるシナジーに期待できることが挙げられます。
レンタルオフィスは上述の通り個室の専有が前提となっているため、料金がやや高い反面、周囲の視線や雑音を気にせず集中できる環境を整えやすい点がメリットと言えます。
レンタルオフィスとバーチャルオフィスの大きな違いは、物理的なワークスペースが実在するかどうかです。
バーチャルオフィスは、基本的にワークスペースを伴わないオフィス形態です。
法人登記のための住所利用や、郵便物の受け取り・転送サービスが主な利用目的です。
打ち合わせスペースを使用できるバーチャルオフィスもありますが、基本的には「登録のために使用するオフィス」というのがバーチャルオフィスの主な用途です。
上記7つの「レンタルオフィスのメリット」を順に見ていきましょう。
レンタルオフィスを利用することで、一般的な賃貸オフィスに比べ初期費用を抑えることができます。
各オフィス形態における初期費用の目安を表にまとめました。
オフィス形態 | 利用イメージ | 初期費用目安 |
賃貸オフィス | ・長期利用を前提としている ・取引先等の信用を得やすい ・拡大・縮小が困難 |
賃料の半年~1年分 |
レンタルオフィス | ・専用の個室を利用できる ・法人登記に使用できる場合が多い ・拡大・縮小が比較的容易 |
数万円~数十万円 |
シェアオフィス コワーキングスペース |
・ワークスペースを共有する ・基本的に備品の保管、専用回線の利用は不可 |
数千円~数万円 |
バーチャルオフィス | ・ワークスペースがない ・利用できないビジネス形態がある(資格、許認可関連など) |
0円~数万円 |
レンタルオフィスは、事業所の所在地として法人登記に使用できる場合が大半です。
シェアオフィス・コワーキングスペースは登記に対応していない場合もあり、あくまでも「作業場」としての意味合いが強くなります。
「拠点」としての利用を想定されるのであれば、法人登記や固定回線を利用できるレンタルオフィスがおすすめです。
また、レンタルオフィスは都市部の一等地に所在している場合が多く、賃貸オフィスなどに比べて低いコストで認知度の高い住所を利用できる点もメリットです。
個室利用が前提であるレンタルオフィスは、情報端末や機密情報の保管も可能です。
基準に適合したレンタルオフィスであれば、士業の方の事務所として使用することもできます。
一例として、行政書士事務所として登録するには次のような適格性が認められる必要があります。
● 事務所の使用権原が適正であること
● 行政書士事務所として表札を掲載できること
● 業務取扱上の秘密を保持できる、独立した空間であること
具体的には、鍵付き個室の執務スペースがあるか、郵便物が他の入居者と混ざらない状態か、といった項目で審査されます。
「レンタルオフィスでの登録は、守秘義務確保のため、執務スペースは鍵付きの区切られた部屋であること、郵便物は混ざらないこと、行政書士事務所としての表示ができること等を確認しています。執務スペースの形態によっては行政書士事務所として不適格と判断される場合があります。」
出典:https://www.kyoto-shoshi.jp/register/images/touroku_tebiki.pdf?210805-2
士業の実務上、来客が安心して話せるようオフィスには防音性の高い個室が必須です。
パーテーションで区切るだけでは十分な対応とは言い難く、賃貸オフィスでも防音への追加投資が必要になる場合があります。
上記を踏まえると、コストを抑えて開業されたい士業の方や機密情報の取扱に重きを置く事業者の方にとって、レンタルオフィスは第一選択肢と言えます。
とはいえ、保管設備や防音性、高級感といった「個室」としての品質は、レンタルオフィス事業者によって様々です。
可能な限り内見に足を運び、実際に確かめた上で契約するのが理想的です。
事業の状況に合わせてオフィスを柔軟に拡大・縮小しやすいところも、レンタルオフィスの特長です。
賃貸オフィスの場合、物件の変更や移転を行うのは容易でなく、移転の際の住所変更には甚大な工数がかかります。
一方レンタルオフィスには様々なサイズの個室が用意されている事が多いため、利用するスペースを変更することで人員の増減に対応できます。
同じオフィス内で空間を移動するだけなので、住所の変更も必要ありません。
余計な費用・時間・工数を掛けず状況に応じて調整できる点は、フレキシブルな事業に役立ちます。
レンタルオフィスを通じたコミュニティ形成にも期待できます。
共有スペースがあることで他の入居者とのリレーションが生まれやすいのに加え、レンタルオフィス側が利用者の交流を促すイベントを実施したり、外部イベントの会場として使用されることも少なくありません。
作業空間の共有が前提になっているコワーキングスペース・シェアオフィスに比べると積極的に交流を図る空気感は薄れますが、賃貸オフィスや自宅オフィスに対しては鮮度の高い情報や人脈を取り入れやすい環境であると言えるでしょう。
立地の良いワークスペースを低コストで確保できる点も、レンタルオフィスのメリットです。
レンタルオフィスの多くはターミナル駅周辺などアクセスの良い場所に位置しており、通勤やクライアントへの訪問など、細かな移動時間の削減につながります。
また立地は、ブランディングの面でも大きな意味を持ちます。
名刺やWEBサイトに掲載される所在地が取引先や求職者の印象を左右する可能性は否定できません。
印象による効果は可視化しにくいため、ブランディングのためだけにコストを掛けるのに抵抗がある方は少なくないでしょう。
レンタルオフィスであれば、賃貸オフィスに比べて低い賃料で一等地に専有スペースを確保しやすいため、所在地がご自身のビジネスに与える効果を最小の投資でテストできると捉えることもできます。
レンタルオフィスでは会議室やラウンジなどを予約利用できる場合がほとんどです。
またシャワーブースやライブラリー、フリードリンクなどの設備を備えたレンタルオフィスも少なくありません。
スポットで利用できるため、固定費の節約に繋がります。
賃貸オフィスなどと比較して、低コストで快適な環境を整えやすいと言えます。
注意点やデメリットを踏まえることで、入居後の働き方を鮮明にイメージできるでしょう。
利用時間を限定しているレンタルオフィスもあります。
事業の立ち上げ期などで昼夜を問わず作業したいときでも、制限時間になったら作業を中断し、帰宅するか別の場所に移る必要が生じます。
また海外のクライアントを抱え、現地時間に合わせて深夜に仕事をしたい方なども少なくないでしょう。
上記のように、一般的なコアタイムと実際の勤務時間帯が大きく乖離する可能性のある方は、レンタルオフィスの利用時間を注意深く確認したいところです。
レンタルオフィスで会議室を利用する際には、事前予約が前提です。
そのため、場合によっては他の入居者の予約で埋まっていて使えないことも起こり得ます。
社内の打ち合わせであれば他の入居者のいるフリースペースで済ませるか、近くのカフェに移動するなどして対処できるかもしれませんが、相手が社外の方となるとそうもいきません。
外部の貸し会議室を利用するか、場合によっては事情を説明して予約枠を譲ってもらう必要があるかもしれません。
そのため、社外の方との突発的な会議が続いたタイミングなどで、レンタルオフィスの会議スペースに使いにくさを感じることもあるでしょう。
内覧や問い合わせにより、会議室の稼働状況を確認しておくことで上記のリスクを避けやすくなります。
レンタルオフィスでは、電話代行や秘書サービスなどのオプションサービスを提供している場合がほとんどです。
月額で利用できるケースが多く、ニーズの変化に対して柔軟に取り入れることができます。
しかし、オプションサービスの利便性に頼りすぎると結果的にコストがかさむことになりかねません。
利用したいサービスの内容と料金を事前に確認し、本当に利用する必要があるのか、他の方法で解決できないかを検討する時間を設けたいところです。
上述の通り、オフィスの立地は生産性・印象の面で大きな意味を持ちます。
取引先の所在地分布や属性を考慮し、ご自身のビジネスを展開するのに有利な拠点を構えたいところです。
なおリージャスはアクセス・ブランドに優れた都心を中心として、全国46都市・172拠点に展開しています。
また世界120カ国・1,100の都市で3,400拠点を有しており、グローバルな事業拡大を視野に入れてご利用いただくこともできます。
レンタルオフィスを選ぶ際の最重要項目のひとつが、費用対効果です。
レンタルオフィスの基本料金とサービス等にかかるオプション料金を算出し、同じ立地の賃貸オフィスの賃料水準や初期費用と比較することで、意思決定がスムーズになります。
レンタルオフィスで利用できる主な機能・設備・サービスは以下のとおりです。
上記サービスの料金や品質はレンタルオフィスによって異なるため、問い合わせや内覧での確認が必要です。
リージャスのレンタルオフィスでは、次のようなサービスを提供しています。
イニシャルコスト、ランニングコストを抑えつつ、快適に作業できる空間をお探しの方には、リージャスのレンタルオフィスがおすすめです。
レンタルオフィスを選ぶ際、他の入居企業について把握しておくことは重要です。
理由は次の3つです。
前述の通り、自社事業と相乗効果の高い企業が入居しているレンタルオフィスを選ぶことで、交流を機に取引や紹介が加速する可能性があります。
また、騒音や風紀の観点から、自社の人員が働きやすい環境か否かを検討する材料にもなります。
レピュテーションリスクを避ける意味でも、入居者の構成を確認することが肝要です。
同じ所在地を利用する以上、他の入居者が問題を起こした際に影響を受けないとは限りません。
問い合わせや内覧で確認するか、入居を検討しているレンタルオフィスの住所を検索し、所在地が一致する企業を把握しましょう。
向いている方 | スタートアップ企業・ベンチャー企業 個人事業の方 士業の方 リモートワーク推進企業 オフィス分散化推進企業 出張・外出の多い方 |
向かない方 | 小売・製造・倉庫 店舗型ビジネス 宅建業・人材派遣業・有料職業紹介事業などの方 |
コストを抑えつつ、作業環境を柔軟に調整できるレンタルオフィス。
スタートアップ企業を中心に、リモートワーク・オフィス分散化などの新しい働き方を取り入れる企業での利用が活発です。
また、コンパクトで融通の効く作業空間を確保したい個人事業主の方や、事務所の登録に一定の基準がある士業の方の独立開業にも適しています。
電話対応・秘書代行などのサービスを組み合わせることで雑務を削減できるため、出張や外出の多いビジネスマンの作業拠点としてもおすすめです。
一方で、小売り・店舗型ビジネス・宅建業などは、基本的にレンタルオフィスは向きません。
顧客の来店が必要、内装を変えられない、在庫保管に苦慮する、といった理由でレンタルオフィスの長所を生かしづらい場合があるからです。
固定費を抑えつつ事業を効率的に推進できるオフィス形態を選ぶ上で、「レンタルオフィスとは何か」を正しく把握するのは効果的です。
レンタルオフィスを活用することで、賃貸オフィス・自宅オフィスのデメリットを解消しつつスマートな作業環境を確保できます。
リージャスは日本全国170拠点、世界120カ国1,100都市3,400拠点 で多機能的に活用できるレンタルオフィスを展開しています。
足元の作業環境から、グローバルな展開までサポートできるリージャスのレンタルオフィス。
詳細は以下のページからご覧ください。
この記事の執筆者:
日本リージャスホールディングス株式会社
世界120カ国、3,300拠点、ユーザー数800万人のネットワークを有するフレキシブルオフィスの最大手、リージャスグループ(IWG社)。その日本国内事業展開を担う日本リージャスホールディングス株式会社は、1998年の事業開始から現在までに47都市、172拠点(2022年6月末時点)を開設してきました。その強みは出店地域の特性に応じて様々なタイプのフレキシブルオフィスブランドを展開している点です。国内のリージャスは、高級ブランド「Signature」(シグネチャー)、コミュニティ型の「SPACES」(スペーシズ)、ハイグレードな「Regus」(リージャス)、リズナブルな「オープンオフィス」、交通機関隣接型「リージャスエクスプレス」の5ブランドを展開し、多くの皆様に快適なフレキシブルオフィスを提供しています。