テクノロジー大手の人員削減が進み、layoffs.fyiによると、世界のテック企業において人員削減の対象となった人数は2023年に入ってからの約4カ月間で19万3000人を超えたといいます。
物事や価値観が目まぐるしく変化し、将来の見通しを立てるのが困難な時代。企業がビジネスの競争力を維持しつつ、将来の予測不可能なチャレンジに備えるには、生産性を最大限に発揮しながらビジネスコストを削減する方法を見つけていかなければなりません。
確かに、ビジネスを展開するにはコストがかかります。しかし、大規模な人員削減を実施して大切な仲間を失うことなく、コストを抑えながら収益を高める方法は他にいくつも存在します。
この記事では、ハイブリッドワークモデルへの移行がコスト削減の面から見ていかに有益であるかに焦点をあて、オフィス運営にかかる経費を最適化し、ビジネスコストを削減する最も効果的な方法について紹介します。
オフィスにかかるコストを削減する最も簡単な方法は、オフィススペースを縮小することです。パンデミック以降、リモートワークやハイブリッドワークが浸透したことにより、オフィスの余剰スペースが増えたことに悩まされている企業が増えています。
契約中のオフィスが必要以上に広いと感じている場合は、ニーズに合ったより小さなスペースへのダウンサイジングを検討しましょう。ビジネスの成長に合わせて柔軟なサイズ変更が叶うレンタルオフィス・コワーキングスペースに移転することで、コストカットが実現できます。
ビジネスコストを削減するもう一つの方法は、ハイブリッド型ワークスタイルを採用することです。
ハイブリッドワークとは、従業員がオフィスでの仕事と自宅などで行うリモートワークの時間を自由に選択できる働き方のこと。企業側は広いオフィスを賃貸する必要がなくなり、オフィススペースの縮小やコワーキングスペースへの移行を可能にします。そうすることで、活用されていない無駄なスペースがなくなるとともに、ランニングコストの削減にもつながります。また、フレキシブルなワークスタイルを採用することは、従業員のモチベーションと生産性向上を促進します。
その他の費用対効果の高いソリューションとして、リモートワークとオンデマンド型ワークスペースの併用が挙げられます。このシステムでは、企業はニーズに合わせて必要な時に必要な分だけスペースを借りることが可能になります。
例えば、会議室とオープンスペースのデスクを必要に応じて使用するコワーキングスペースを契約すれば、特定の日程・用途でのみスペースを借りることができます。長期間のリース契約に縛られることなく業務に必要なスペースを無駄なく確保できるため、リーズナブルかつフレキシブルなコストカットを実現します。
レンタルオフィスやコワーキングスペースは、オフィス家具付きかつ内装工事不要でご契約後すぐに利用開始できるのが魅力です。従来のオフィスリースとは異なり、レンタルオフィスやコワーキングスペースでは、光熱費やメンテナンスなどの費用がレンタル料に含まれています。また、通常は月単位の利用が可能で、ビジネスの成長に合わせて柔軟にスペースを拡張することができるのもメリットです。
リモートワークを導入中でも、デイオフィスサービスを利用すれば1日単位でオフィススペースを利用することができ、時間貸し会議室なら1時間から利用可能です。外出時や出張時に便利な上、クライアントの打ち合わせの場所としても重宝するでしょう。さらに、必要に応じて対面でのミーティングを開くことにより、従業員同士のつながりを良好に保つことも期待できます。
一等地にオフィスを借りるのはやはりコストがかかります。その代わりに、より手頃なエリアのレンタルオフィスやコワーキングスペースを検討しましょう。
まず、貴社のビジネスにとって何が必要かを見極めましょう。主要な交通機関へのアクセスはチームにとって重要でしょうか? クライアントが公共交通機関を利用して来社する機会は頻繁にありますか? それとも、必要な時だけ会議室を予約できるバーチャルなビジネスアドレスの方が有益かもしれません。都心の一等地にオフィスを構えることが本当に必要かどうかは、導き出された答えによって違ってきます。
特にリモートワークを考えている場合は、一等地よりもリーズナブルなエリアにおける複数のサテライトオフィスの設置やバーチャルオフィス利用の方が効率的かもしれません。
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―辞典に掲載された「ハイブリッドワーキング」
オフィスの賃貸契約が更新される際には、条件の再交渉を検討しましょう。ハイブリッドワークが定番になりつつある現在、レンタルオフィスやコワーキングスペースなど、長期のリース契約に縛られないオフィスソリューションも存在します。
長期のリース契約は、ビジネスの規模を拡大したり縮小したりする際の足かせとなる可能性があります。契約更新の際には、より低い賃料での短いリース期間を交渉してみてください。
予算を適切に管理することは、ビジネスコストを削減する上でも、市場の低迷からビジネスを守る上でも、重要な役割を果たします。予算の上限を超えないよう管理すれば、どこからコストカットができるかが自ずと見えてくるでしょう。
タスクの自動化は、繰り返しの多い作業や時間のかかる作業に費やす時間・リソースを削減する費用対効果の高いソリューションです。
タスク管理ソフトウェアの導入、チャットボットによる顧客対応、社内プロセスの合理化に役立つクラウドソフトウェアの採用など、ビジネスの種類に応じてさまざまなテクノロジーの導入が考えられます。
航空券や新幹線のチケット、宿泊費、食事代などの出張費は、すぐにかさんでしまいます。出張を制限したり、直接会って会議をする代わりに、ビデオ会議を利用したりすることも考慮しましょう。ビデオ通話や画面共有機能を利用することによって、出張を減らすことができれば、コスト削減にもつながるでしょう。
パンデミック後の世界では、より多くの企業がリモートワークを導入しています。今では、バーチャルで行なわれるビデオ会議は、誰にとってもより便利で当たり前のコミュニケーション方法になりました。
ペーパーレス化はビジネスコストを削減する上、地球環境に優しいサステナブルな方法として注目されています。現在では、あらゆる文書を電子保存して電子署名をしたり、会計ソフトを使用して請求書をデジタル化したりすることが簡単にできるようになっています。また、EvernoteやMicrosoft OneNoteなどのツールを使えば、メモ書きさえもペーパーレス化することができます。
事業経費を定期的に見直し、借入金の金利を下げ、仕入先と交渉してより良い取引条件で契約することも大事です。同時に、キャッシュフローを定期的にモニタリングし、経費を賄うのに十分な資金があることを確認し、不必要な支出や手数料を避けるようにしましょう。
予算を注意深く管理しコスト削減することはビジネスの資金をセーブし、困難な時期にも耐えられる企業の体力づくりにつながります。
多くの企業は、修理可能なデバイスや家具をすぐに廃棄してしまいます。しかし、そうした商品は特に問題を感じることなく再利用できることも多く、ほとんどの場合が新品を購入するよりも安価です。
コストカットする上でも、オフィス家具や機器を購入する際は、メーカー整備済み商品、アップサイクル品、中古品なども検討しましょう。経費削減だけでなく、環境にも優しいエシカルな選択肢です。
フルタイムの従業員を雇う代わりに、特定のプロジェクトでフリーランスに業務委託することや、契約社員を利用する業務のアウトソーシング化は、ビジネスコストを削減するもう一つの方法です。
フリーランスを利用するメリットは、プロジェクト単位で仕事をする人材が多いため、正社員では不足しがちな専門的なスキルや知識をチームに持ち込んでくれる点です。
使わないときは照明や電化製品の電源を切る、LEDランプに取り替える、エアコンの設定温度は20℃を目安に設定するなど、エネルギーの消費量を抑えて光熱費をカットすることは、比較的簡単に取り入れられるコストカット方法です。光熱費の見直しの際には、複数のサービスを比較し、価格交渉することも重要です。
従業員を巻き込んで、サステナビリティをビジネスのコアバリューにすることも一つの方法です。トレーニングやインセンティブ、模範を示すことで、スタッフの省エネに対する意識が高まるよう促しましょう。
例えば、適切なエアコンの温度調整の仕方や、エネルギー効率の良い電球や家電製品の選び方など。オフィスでの省エネについてスタッフに情報を提供し、トレーニングを提供しましょう。また、最も効果的な省エネアイデアを出した個人やチームに対して、ギフトカードやボーナスを支給するなど、省エネに貢献した従業員に、報酬を与えるプログラムを検討してみてもいいかもしれません。
ビジネスコストを削減するもう一つの効果的な方法は、割引サービスに加入することです。まとめ買いをしたり、製品やサービスの価格交渉をしたりすることにより、オフィスサプライを適正価格で購入することができます。
Original Source:
-Regus.com
Source:
-Layoffs.fyi
この記事の執筆者:
日本リージャスホールディングス株式会社
世界120カ国、3,300拠点、ユーザー数800万人のネットワークを有するフレキシブルオフィスの最大手、リージャスグループ(IWG社)。その日本国内事業展開を担う日本リージャスホールディングス株式会社は、1998年の事業開始から現在までに47都市、172拠点(2022年6月末時点)を開設してきました。その強みは出店地域の特性に応じて様々なタイプのフレキシブルオフィスブランドを展開している点です。国内のリージャスは、高級ブランド「Signature」(シグネチャー)、コミュニティ型の「SPACES」(スペーシズ)、ハイグレードな「Regus」(リージャス)、リズナブルな「オープンオフィス」、交通機関隣接型「リージャスエクスプレス」の5ブランドを展開し、多くの皆様に快適なフレキシブルオフィスを提供しています。