オフィスに出社することなく完全にリモートワークでビジネスを展開する企業も増え、自宅や近所のレンタルオフィス・コワーキングスペースなどを使ったフレキシブルな働き方が定着しました。
リモートワークの導入は、ワークライフバランスの向上につながることが調査で明らかになっています。リモートで働く社員はそうでない社員より幸福度が上がり、仕事の生産性が上がることも少なくありません。
しかしその半面、いくつかの欠点もあります。リモートワークでは、ほとんどのコミュニケーションがメールやチャットなど文字のみで行われるため、ミスコミュニケーションが多発し、従業員同士のコラボレーション作業が円滑に進まない傾向があります。
チームビルディングのアクティビティは、バーチャルな環境でも高い効果を発揮します。トリビアやアイスブレーカーをはじめ、多くのチームアクティビティは遠隔でも行うことが可能です。リモートで働くチームの結束を強め、コラボレーションを促進することを通して、長期的なビジネス向上に繋げることができるのです。
この記事では、従業員が同じオフィスにいなくても、楽しみながら絆を深めることができる効果的な「バーチャルチームビルディング」のアクティビティをご紹介します。
リモートワークの社員も、オフィスにいる社員も、スランプのようなものを感じることがあります。プロジェクトでのストレスや在宅勤務での孤独感など、その原因はさまざまです。スランプに陥った際には、オンラインチームゲームなどのチームビルディングアクティビティが役に立ちます。勤務時間中に気分転換ができ、同僚との仲間意識も高まります。
メール受信欄で見る名前や、ZoomやMicrosoft Teamsでのオンラインミーティング中のミュートされた画面だけでは、チームメイトに親近感を持つことは難しいでしょう。チームビルディング体験を提供すれば、その過程で従業員はお互いを深く知り、共感を持つことができるようになります。
「世界経済フォーラム」によると、職場で友人を作ることはあらゆる面で重要だといいます。従業員の幸福度が上がり、チームのつながりをより強く感じることができるからです。職場に友人を持つ社員はそうでない社員より積極的に仕事に取り組むようになり、その結果、生産性が向上するのです。
同僚を知り好感を持てば持つほど、会社を辞めたいと思う人は少なくなる傾向があるといいます。『ハーバード・ビジネス・レビュー』によると、仕事内容に不満を持つ人の35%が、職場に信頼のおける友人がいればその職にとどまることを選択すると答えています。
バーチャルなチームビルディングアクティビティは、社員同士の絆を深めることができる上、有能な人材の確保にも役立ちます。また、チームビルディングを通して、雇い主が従業員を単なる従業員としてだけではなく、一人の人間として大切に考えていることを示すことができます。
遠隔で行われるチームビルディングは従業員同士のつながりを強くし、お互い助けを求めやすい環境を作り出します。同僚を他人のように感じることはなくなり、頼りにすることができるようになるのです。
バーチャルで行うチームビルディングゲームの中には、コミュニケーションとコラボレーションの向上に重点を置いたものもあります。意見の相違や対立するようなシチュエーションにおいて、友好的に解決する方法を学ぶように設計されています。
従業員がお互いを尊敬し合い、大切にされていると感じれば、自然とチームワークが良くなります。コミュニケーションが円滑になり、より良いチームとして行動するようになるのです。従業員同士の結束が強まれば、自然と生産性も向上します。
オンラインで行われるバーチャルチームビルディングには、適切なテクノロジーが不可欠です。ZoomやSkype、Microsoft Teamsなど、ミーティングを行うツールを決め、全員がそのアプリにアクセスできるように準備しておきましょう。当然ながら、参加者はそれぞれマイクとカメラを用意し、チームビルディング中は両方ともオンにしておく必要があります。参加者がアクティブでなければ、そもそもチームビルディングの意味がありません。
画面共有、ビデオ、マイクが全員分使えるかどうかなど、アクティビティを始める前にひと通り確認してすべてが問題なく機能していることを確認します。
従業員がバーチャルなチームビルディングゲームを、負担に感じないようにしたいものです。プロジェクトの締め切りが迫っているタイミングや重要なカンファレンスに参加する日程などを避けて、スケジュールを組むようにするといいでしょう。
グローバル企業では、すべてのタイムゾーンに対して適切な日程を見つけるのは難しいかもしれません。スケジューリングの際には、チームの勤務時間に気を配りながら、子供の学校の送り迎えなどワークライフバランスも考慮しながら進めてください。
チームビルディングは特定の目的を持った上で効果を発揮します。従業員同士のコミュニケーションの向上、新入社員との交流、単純に楽しむためなど、目的はさまざまです。どんな目的であれ、チームビルディングを計画する際には、ひとつの目標を念頭に置くことが肝要です。
目的が決まったら、計画を立てましょう。リストや台本、プレゼンテーションを用意する必要はありませんが、チームビルディングを円滑に進めるためにも、しっかりと計画を頭に入れておくべきです。
進行表に沿ってアクティビティを進めることも重要ですが、雑談の時間を設けることも重要です。定例会議の冒頭やチームビルディングのアクティビティを始める前に、雑談の時間を設けるとよいでしょう。お互いの近況を知ることで、チームの絆がさらに深まります。
チームビルディングはエンターテイメントとして楽しむものです。楽しみながら計画を立てるようにしましょう。さらに重要なのは、チームにとって楽しいイベントでなければならないということです。
みんなが好きなTV番組があるなら、誰がその番組について一番知っているかを競うオフィストリビアゲームを企画してはいかがでしょう?
全てのマネージャーが、チームビルディングをリードすることができるわけではありません。従業員の会話や楽しみを引き出すには別のスキルが必要です。アクティビティのファシリテーターが見つからない場合は、全体的なプランとチームビルディングゲームを準備してくれる外部の専門会社に依頼してもよいでしょう。
コミュニケーション能力が高く、人前で話すのが好きな人を集めて社内に専門チームを作るというのもひとつの方法です。
優れたバーチャルチームビルディングを実現する最善の方法は、従業員に直接アンケートを取ることです。いくつかのプランを提示して、計画前に投票を取ることができます。さらに重要なのは、アクティビティを終えた後、チームメンバーにこの活動で何が良かったか、良くなかったかを聞き、今後に活かすことです。
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チームビルディングを行うことにより新入社員同士が打ち解け、また、会社に歓迎されていると感じることができます。ただし、誰も疎外感を持たないようにグループ分けして行うのがベストです。
チームビルディングのための定期的なアクティビティとして、ミーティング前に15分から30分程度を追加しておけばチーム内で雑談をする時間が生まれます。
長めのチームビルディング アクティビティを毎月設定するようにしましょう。従業員は、定期的なイベントとしてチームビルディングを楽しみに待つようになります。
従来の全社会議のように、年に一度、オンラインでチームビルディングに特化した一日を設定してもよいでしょう。
最も人気のあるチームビルディング アクティビティのひとつです。準備はほとんど必要なく、時間もあまりかかりません。ゲームを通してお互いに打ち解けることができるため、会議の冒頭やチームに新しい仲間が入ったときなどに適しています。
一般的なアイスブレーカーのひとつで、参加者の笑顔を生み出します。まず、参加者に自分自身についてふたつの事実とひとつの嘘を話してもらいます。趣味や訪れた場所、ユニークな特技など、何でも構いません。他の参加者は、その嘘を見破るための話し合いを行うなかで、お互いの理解を深めることができます。
全員に紙を用意し、質問をいくつか出して10秒以内に答えを書いてもらいます。例えば、「どんな超能力が欲しいか?」「1カ月間食べ続けるならどんな食べ物がいいか?」などです。最後に、各自が書いた答えを読み上げてもらい、共通点やユニークな回答があるかを確認します。
ペットや趣味、好きな食べ物など、参加者に自分の生活の中で大切なものを事前に写真に撮ってきてもらうようお願いします。ミーティングの冒頭で、その写真を見せ、なぜその写真を選んだのかを説明してもらうゲームです。
チーム内で摩擦が起こりがちな場合は、協調性を高めるために設計されたゲームを行うとよいでしょう。 従業員をチーム分けして行うゲームが主流です。
参加者には事前に、テストを受けてもらいます。ミーティングでは、各メンバーが自分の結果を発表し、その結果がそれぞれの性格の何を意味するのかを話し合います。
対立解消のための優れたゲームです。Zoomのブレイクアウトルームを利用して2人ずつのグループに分かれ、それぞれのペアで過去に自分の身に起こったネガティブな出来事について話してもらいます。
聞き手は、その出来事のポジティブな側面を見つけて話し手に説明します。次に役割を交代して、同じことを繰り返します。ペアワークが終わったら、全てのグループで話し合いのプロセスやそこで学んだことについて議論します。
チーム内で楽しく交流する方法を探しているのであれば、以下のようなゲームがおすすめです。
絵かきゲームやトリビアクイズなど、結果を共有画面で確認することができるモバイルゲームでも、チームビルディングが可能です。
バーチャルミーティングでも、リアルな世界と同じように一緒にお酒を飲むことで絆を深めることができます。一日の終わりに、スクリーンの前で従業員に乾杯してもらいましょう。アイスブレーカーを用意して、会話を弾ませるのもよいでしょう。
みんなが家で仕事をしているのだから、きっと料理もするはずです。一緒に料理をする時間を決めて、作った料理を発表します。そして、みんなで楽しく食べましょう。
一般的に、少人数のチームビルディングアクティビティは時間がかかるものです。バーチャルゲームでは、より複雑な課題を設定し、ゲームのプレーヤーを一定人数以上必要としている場合もあります。一方、他のメンバーからのフィードバックを受けながらクリエイティビティを発揮する必要があるゲームは、大人数で行う方が難しいかもしれません。
少人数のグループであれば、深く掘り下げてお互いを知ることができるゲームが効果的です。例えば、「バーチャル脱出ゲーム」では、チームメンバーが充実した時間を過ごせるだけでなく、問題解決能力を身につけることが可能です。
大人数の場合は、アイスブレーカーがおすすめです。速攻性のあるゲームのため、一人ひとりが参加するチャンスを得ることができます。それでも人数が多すぎて参加できない場合は、他にもいくつかの方法があります。
ひとつは、小さなチームに分けて互いに競争させるゲームです。もうひとつは、「バーチャルハッピーアワー」や「バーチャル映画鑑賞会」、あるいはコメディアンを雇っての「バーチャルパフォーマンス鑑賞会」など、受動的な体験を共有することです。
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Original Source:
-Regus.com
この記事の執筆者:
日本リージャスホールディングス株式会社
世界120カ国、3,300拠点、ユーザー数800万人のネットワークを有するフレキシブルオフィスの最大手、リージャスグループ(IWG社)。その日本国内事業展開を担う日本リージャスホールディングス株式会社は、1998年の事業開始から現在までに47都市、172拠点(2022年6月末時点)を開設してきました。その強みは出店地域の特性に応じて様々なタイプのフレキシブルオフィスブランドを展開している点です。国内のリージャスは、高級ブランド「Signature」(シグネチャー)、コミュニティ型の「SPACES」(スペーシズ)、ハイグレードな「Regus」(リージャス)、リズナブルな「オープンオフィス」、交通機関隣接型「リージャスエクスプレス」の5ブランドを展開し、多くの皆様に快適なフレキシブルオフィスを提供しています。