心の健康に対する関心の高まり
転職人材紹介のグローバル企業ロバート・ハーフ社が、イギリスで300名の経営者を対象に実施した最近の調査によると、約半数の経営者が2022年に社員の間に燃え尽き症候群が蔓延することを懸念しています。
「世界メンタルヘルスデー」が設けられている10月は、社員のメンタルヘルス向上のための方法を検討するとともに社員を守るために必要な新しいワークスタイルを構築する絶好の機会です。
ナイキ社は、ストレスから開放され、大切な人と過ごしてもらうことを目的として、本社社員に1週間の有給休暇を与えると発表しました。ナイキ社のグローバル・マーケティングサイエンス担当シニアマネージャーMatt Marrazzo氏はLinkedInに「休息と回復の時間をしっかり持つことはパフォーマンスの向上や健康な心の維持に不可欠なものになるでしょう」と投稿しています。
社員が自分のための時間を確保できるということの大切さは多くの企業で広く認識されており、今後多様な社会における企業の新しい福利厚生のトレンドとなるでしょう。
シティグループは、全社員対象に「シティ・リセット・デイ」という有給休暇を導入しています。またマッチングアプリ「Bumble」の創始者 Whitney Wolfe Herd氏は700名の社員に対して1週間のリフレッシュ有給休暇を通常の休暇とは別に与えています。
これまで述べてきました一時的な休暇は短期的には有効です。しかし長期的にみると、現代に働く人々が抱える心の問題に対しては、ハイブリッドなワークスタイルこそが効果的と言えるでしょう。ハイブリッドなワークスタイルではさまざまな選択肢があるため、人々はプライベートと仕事のバランスを良好に保ち、どちらかが犠牲になるような状況も大幅に減らすことができます。
1.通勤時間の削減
多くの人々にとって朝夕の通勤ラッシュは、一日のうちで最もストレスを感じる時間ではないでしょうか。満員の電車やバスでは身動きさえも取れずオフィスに到着する前に疲れ切ってしまっているかも知れません。
ハイブリッドワーキングを活用した場合、社員には「在宅勤務」「自宅付近のコワーキングスペースで勤務」「会社へ出勤」といった選択肢が与えられます。結果的に1日を通じて格段に落ち着いた状態で仕事をすることができるようになります。
2.メンバーとのコミュニケーション
「聞いてもらえている」、「気にかけてもらっている」と感じることが、社員の心の健康維持に最も効果的という場合もあります。チームマネージャーは対面またはビデオ通話によってメンバーとコミュニケーションをとり、どのように仕事を進めているのか、進行上で不安材料はないかなどについて話し合う機会を設けます。離れていてもチームマネージャーがしっかりコミュニケーションを取っていけばメンバーのメンタルヘルスにつながります。
3.コワーキングスペースの活用
来る日も来る日も、一日中自宅で仕事をすることは必ずしも全ての人にとって精神的に良いとは限りません。イギリス王立公衆衛生協会が行った調査では、コロナ禍で在宅勤務に切り替えた人の67%が、同僚との繋がりが希薄になったと感じていると回答しました。
さらにこの調査で、女性の58%(男性は39%)が「孤独感が増した」と回答しています。また男女合わせて56%の人が「就業時間が終わった後、気持ちの切り替えが難しくなった」と回答しています。
週に数日、コワーキングスペースを活用することで、他の人と話す機会が得られたり、気分転換ができたり、仕事・生活・休息の切り替えがうまくできるようになります。実際、IWGによる最近の調査では、オフィスで働く人々の60%が「ハイブリッドワーキングでメンタルヘルスが改善した」と回答しています。
4.チーム活性化の為のミーティング
社員を月に1~2回集めるという方法は、チームを再活性化させる上で非常に効果的です。完全なリモートワークの期間が続くと、実際に一度も顔を合わせたことがないメンバーと一緒にプロジェクトを進めなければならないことも出てきます。ハイブリッドワーキングを採用する企業では、社員間の繋がりや、士気の高揚、クリエイティビティの向上を目的として定期的に対面ミーティングを設定してチームの活性化を図っている企業が多くみられます。
5.一人ひとりに合わせたスケジュール
ハイブリッドワーキングを採用する企業が増えるにつれて、働く場所や時間に柔軟性を持たせることが当たり前になってきました。これは一時的なものではなく、今後長期にわたりビジネススタイルとして定着するものだということを認識することが重要です。
特に、仕事とプライベートの両立に苦労している共働きの親にはハイブリッドワーキングが大いに歓迎されるでしょう。なかには9時5時文化の会社に別れを告げてそれぞれに適したワーキングスタイルが可能な会社に転職する場合もあるかもしれません。
リージャスは、ハイブリッドワーキング導入をサポートするためにさまざまなサービスを提供しています。
この記事の執筆者:
日本リージャスホールディングス株式会社
世界120カ国、3,300拠点、ユーザー数800万人のネットワークを有するフレキシブルオフィスの最大手、リージャスグループ(IWG社)。その日本国内事業展開を担う日本リージャスホールディングス株式会社は、1998年の事業開始から現在までに47都市、172拠点(2022年6月末時点)を開設してきました。その強みは出店地域の特性に応じて様々なタイプのフレキシブルオフィスブランドを展開している点です。国内のリージャスは、高級ブランド「Signature」(シグネチャー)、コミュニティ型の「SPACES」(スペーシズ)、ハイグレードな「Regus」(リージャス)、リズナブルな「オープンオフィス」、交通機関隣接型「リージャスエクスプレス」の5ブランドを展開し、多くの皆様に快適なフレキシブルオフィスを提供しています。