昨今、リモートワークや働き方改革、副業解禁の流れを受けてバーチャルオフィスが急増しています。
バーチャルオフィスは他のオフィス形態と比べ、初期コストや手間がかからずに契約できるため、ベンチャー企業をはじめ個人起業家やフリーランスの方を中心に需要が高まっています。
バーチャルオフィスの需要が広がるとともに、ビルを所有する業者によるバーチャルオフィス市場への参入も目立つようになりました。
価格競争や差別化のために低価格路線を選ぶ業者もあり、サービスの質の低下やリスクの増加が懸念されることも。
契約内容や提供業者についてよく理解して契約しなければ、想定以上の費用がかかったり、移転を余儀なくされたりする可能性もあります。
本記事では低価格を売りにしている、格安のバーチャルオフィスを検討する際に抑えておくべき知識と注意点について解説します。
事前に確認すべきポイントについてもご紹介していますので、バーチャルオフィス探しに本記事をお役立てください。
バーチャルオフィスのニーズは年々増加しており、2021年には12億円であった市場規模が、2025年には95億円に拡大すると予測されています。
出典:https://www.itr.co.jp/company/press/211104PR.html
この流れを受けてバーチャルオフィスを貸し出す企業も増え、なかには最安値や無料の文言で宣伝するバーチャルオフィスもあります。
しかし、値段の安さだけで利用を決めてしまうと後々のトラブルに繋がりかねません。
主なトラブル例としては、以下のようなものが挙げられます。
バーチャルオフィスのトラブル例
● 契約先が倒産してしまう
● 過去に犯罪などで使用された住所だった
● 一方的な利用料の値上げや利用規約の変更がされた
● 来客時の受付対応などサービスの品質が低い
● 法人登記に非対応なことが契約後に発覚した
もちろん低価格帯のバーチャルオフィスすべてに当てはまる訳ではありませんが、「安かろう」といったサービスを提供している業者が存在するのは事実です。
とはいえ、他のオフィス形態に比べて低コストで住所を利用できる点こそがバーチャルオフィス最大のメリットであるのは言うまでもありません。
次の章では、バーチャルオフィスと他のオフィス形態との違いについて確認しましょう。
はじめに、バーチャルオフィスと他のオフィス形態の違いをまとめた表を見てみましょう。
オフィス形態 | 利用スペース | 主な利用者 | 利用人数 | 利用料(相場) | 支払いサイクル |
---|---|---|---|---|---|
バーチャルオフィス | – | ベンチャー企業
個人事業主 フリーランス |
– | 低 | 1ヵ月~ |
レンタルオフィス | 専有 | 一般企業
ベンチャー企業 士業 個人事業主 |
1人~十数人 | 中 | 1ヵ月~ |
シェアオフィス
コワーキングスペース |
共有 | ベンチャー企業
個人事業主 フリーランス |
1人~ | 中 | 1時間~ |
サービスオフィス | 専有 | 外資系企業
一般企業 |
1人~数十人 | 高 | 1ヵ月~ |
バーチャルオフィスは住所や電話番号の利用に特化しているため作業スペースがなく、他のオフィス形態に比べて低価格で提供が可能となっています。
利用者は独立・起業したフリーランスの方や個人事業主の方が多く、自宅など他の作業スペースを確保できる方にとっての合理的な選択肢となっています。
バーチャルオフィスの基礎知識を詳しく確認したい方はこちらの記事をご覧ください。
併せて読みたい:
バーチャルオフィスとは?
バーチャルオフィスで提供される主なサービス内容は以下のとおりです。
主なバーチャルオフィスのサービス
● 住所の提供
● 固定電話番号の利用
● 郵便物の受取・転送
● 会議室の貸出
● バックオフィスのサポート
バーチャルオフィスでは、上記のサービスを利用できるのが一般的です。
オプションサービスの費用は運営する企業やプラン内容によって大きく異なります。
バーチャルオフィスの利用を検討する際は、必要なサービスの有無や費用を事前に確認することが望ましいでしょう。
バーチャルオフィスを利用することで得られるメリットは以下の3つです。
バーチャルオフィスのメリット
● 初期費用と時間を削減できる
● 信頼度、認知度の高い住所を利用できる
● プライバシーを担保できる
バーチャルオフィスは他のオフィスに比べて、初期費用と時間がかからないという利点があります。
各オフィス形態における初期費用の目安を以下の表にまとめました。
オフィス形態 | 利用イメージ | 初期費用目安 |
---|---|---|
賃貸オフィス | ● 長期利用を前提としている
● 取引先などの信用を得やすい ● 拡大・縮小が困難 |
賃料の半年~1年分 |
バーチャルオフィス | ● ワークスペースがない
● 利用できないビジネス形態がある(資格、許認可関連など) |
0円~数万円 |
レンタルオフィス | ● 専用の個室を利用できる ● 拡大・縮小が比較的容易 |
数万円~数十万円 |
シェアオフィス
コワーキングスペース |
● ワークスペースを共有する ● 基本的に備品の保管、専用回線の利用は不可 |
数千円~数万円 |
賃貸オフィスを借りる場合、保証金や礼金、敷金など初期費用に併せて賃料の半年から1年分がかかるのが一般的です。
初期費用が大きいことに加え、契約手続きや審査の粒度も細かく、実際に利用できるまでに時間を要します。
これに比べてバーチャルオフィスは基本的に書面上で入居手続きが完結し、最短即日入居が可能です。
またバーチャルオフィスは都心に多く集まっており、認知度・信頼度の高い一等地の住所を利用できる点も魅力といえます。
事業を営むにあたって、自宅などプライベートな住所を名刺やWebサイトに載せずに済むという点もメリットの一つです。
事業用の住所として自宅の住所を不特定多数の方に開示することに抵抗を覚える方は少なくありません。
バーチャルオフィスの住所を利用することで、プライバシーを保ちながら事業を始められるでしょう。
まとめると、最小限必要な機能に絞り、低コストかつスピーディーに事業を立ち上げられる点がバーチャルオフィスの特徴です。
そのため、バーチャルオフィスを選ぶにあたってコストの安さを最重視する方が多く、一部の事業者の間では価格競争に発展しています。
ここからは、相場に対してさらに低価格で提供している、格安バーチャルオフィスの特徴や注意点についてご紹介します。
東京都内でも月額500円前後から利用できるバーチャルオフィスが存在します。
しかし、格安でサービスを提供できるのには何かしらの理由があると考えるのが自然です。
これらのバーチャルオフィスは1年分の料金を一括払いするシステムとなっており、月額に換算すれば月額500円となる、といった仕組みになってる場合があります。
それでも、月額500円で利用できるなら問題ないと考える方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、次に確認したいのが住所です。
格安バーチャルオフィスの多くは賃料の高い一等地を避けて展開しており、人気エリアの住所を利用したい方にとっては選択肢が限られます。
オプション料金の価格設定にも注意が必要です。
バーチャルオフィスでは、住所利用まで基本料金の範囲内となっており、郵便物の受取・転送などのサービスを利用する際に追加料金が発生するのが一般的です。
格安バーチャルオフィスの中には、高額な料金や従量課金制を設定して、オプションサービスで利益を回収している業者も少なくありません。
結果的に、オプションが充実したプランのバーチャルオフィスよりも費用が高くなる場合があるのです。
月額利用料が無料であると宣伝しているバーチャルオフィスもありますが、もちろん本当に無料で利用できるわけではありません。
月額料金を格安や無料にすることで集客を行い、契約期限、オプション料金・入会金・保証金・更新料・解約料など、様々な項目で利益回収を図っています。
ホームページや広告の情報だけを見て、下調べをせずに契約してしまうと想定以上の費用がかかる危険性があります。
格安のバーチャルオフィスを選ぶことが悪いわけではありません。
しかし格安といった値段だけにとらわれずに、費用の総額やオプションの利用料金など、事前に情報を集めることが重要です。
ではバーチャルオフィス選びに失敗しないためには、どのような情報を集め、何に注意すればよいのでしょうか。
格安バーチャルオフィスにおける注意点は以下の4つです。
格安バーチャルオフィスの注意点
● レンタルする住所の利用サービスに関する注意点
● 郵便サービスに関する注意点
● 電話サービスに関する注意点
● 貸し会議室やセミナールームなどに関する注意点
それぞれ詳しく見ていきましょう。
会社所在地がブランディングにもたらす影響は依然として大きいため、オフィスビルの住所は重要です。
バーチャルオフィスの所在地を最寄りの駅名や路線のみで判断せず、細かい地名まで確認しましょう。
先述の通り、格安バーチャルオフィスではそもそも人気エリアから離れた場所に立地しているところが多いため、特に注意が必要です。
バーチャルオフィスを利用するにあたって、郵便サービスはとても便利です。
契約先の住所に届いた郵便物や荷物をバーチャルオフィスのスタッフが受け取り、指定先の住所へと転送してくれます。
料金や転送のフローは、バーチャルオフィスの運営業者によって大きな差があるポイントです。
最初から契約プラン内に郵便サービスが組み込まれていれば問題はありませんが、オプション料金として費用がかかる場合には郵便物や荷物が多いと出費が大きくなります。
郵便物を毎週無料で転送してくれるところもあれば、郵便や荷物を受け取るたびに料金が発生するところもあります。
特に格安バーチャルオフィスの場合は、郵便の受取・転送サービスはオプション料金が発生し、その費用が高額であるところも多いため注意が必要です。
郵便サービスを利用する際には、以下のような項目を事前に確認しましょう。
電話サービスの内容はバーチャルオフィスの運営業者によって異なります。
電話料金(電話転送料金)をはじめ、電話対応の質、持ち込みの電話番号(ナンバーポータビリティ)の可否などの違いがあります。
例えば電話代行サービスを利用するたびにオプション料金が発生する場合、利用頻度や回数によってはランニングコストが割高になる場合があります。
自宅などで事業を始めた場合、外部との打ち合わせスペースを確保する必要が生じるかもしれません。
基本的に取引先や顧客の多くはバーチャルオフィスの住所をあなたの会社の住所と認識します。
そのためバーチャルオフィスの貸し会議室を利用できれば、その場で商談や会議を行えるため非常に便利です。
しかし、貸し会議室のサービスがあるバーチャルオフィスだとしても、注意が必要です。
特に格安のバーチャルオフィスの場合は、会議室とは名ばかりに不特定多数が利用できる共有スペースであったり、パーテーションなどで簡易的に区切られただけのスペースであったりすることもあります。
バーチャルオフィスで会議や商談を想定している場合は、実際にオフィスに出向いて会議室の環境や設備を事前に確認しましょう。
打ち合わせでは建物やエントランスの見た目も相手の印象を大きく左右するため、併せて確認するようにしましょう。
先ほどは格安のバーチャルオフィスの注意点について紹介してきました。
ではバーチャルオフィスを選ぶ際にトラブルに巻き込まれないために、どのようなポイントを確認すればよいのでしょうか。
バーチャルオフィスを選ぶにあたり、確認すべきポイントは以下の4つです。
バーチャルオフィスを選ぶポイント
● 料金がサービス内容に見合っているか
● バーチャルオフィス運営会社が潰れることはないか
● 店舗数、拠点数は多いか
● 運営スタッフの顔が見えるか
バーチャルオフィスは長期的に利用することが多いため、利用料金をしっかりと比較して適正価格を見定めたうえで、選ぶことをおすすめします。
バーチャルオフィスの利用料金は運営業者によって異なりますが、一見プラン料金が他よりも高く設定されていたとしても、提供されるサービスが料金に見合った内容であれば問題ありません。
そのため初期費用や月額の基本料金など、格安だからと費用面だけで判断するのは注意が必要です。
費用が安いか高いかよりも、あなたの会社に必要なサービスは提供されているかや、そのサービスに対して適正な料金に設定されているかといった視点を持つようにしましょう。
次に、運営会社の経営に問題ないかを確認することも重要です。
運営会社が潰れて移転を余儀なくされると、移転先の選定や住所登録の変更、名刺やパンフレットの刷り直しなど、大きな時間とコストがかかります。
そのため、バーチャルオフィスの運営会社を選ぶ際には、ホームページで会員数や事業実績、会社の業歴、資本金を確認するようにしましょう。
帝国データバンクや東京商工リサーチなどのデータを活用して、バーチャルオフィスを運営する会社の信用情報を確認するのが効率的です。
拠点数・利用者数についても確認しておきましょう。
サービスの質や経営の安定性を推測する材料になるだけでなく、拠点数が多い運営会社を選ぶことで事業拡大・商圏拡大の選択肢が増えるでしょう。
運営スタッフの顔が見えるかどうかという点も重要です。
優良なバーチャルオフィスの運営会社は優秀な人材の確保や育成に力を入れたり、ホームページにスタッフの写真を掲載したりと、顧客からの信頼を得るための工夫をおこなっています。
バーチャルオフィスのスタッフによる来客時や電話時の対応はあなたの会社の評価に直結するため、サービス内容や接客などスタッフのよさを感じられるバーチャルオフィスを選ぶことをおすすめします。
数あるバーチャルオフィスのなかから、実際に選ぶとなるとかなりの労力と時間が必要です。
実績とプラン内容の充実したバーチャルオフィスをお探しなら、リージャスがおすすめです。
リージャスは世界120ヵ国、1,100都市、3,300拠点、総利用者数は800万人を誇っています。
国内最多の700拠点を持ち、優れた立地に多彩なオフィスサービスを提供しています。
リージャスのバーチャルオフィスはシンボルタワーや一等地の住所を使いたい方、海外にビジネス拠点を置きたい方、電話応対や郵便物の取り扱いをアウトソーシングしたい方におすすめです。
リージャスのバーチャルオフィスでは以下のサービスをご利用いただけます。
リージャスのバーチャルオフィスサービス
● 住所利用
● 郵便受け取り
● 電話番号
● オフィス利用
● メンバーシップ
バーチャルオフィスは北海道から沖縄まで国内で150以上の拠点があり、利用目的に合わせて選べる4つのプランをご用意しています。
各プランで利用できるサービスを表にまとめました。
プラン | 住所利用 | 郵便受け取り | 電話番号 | オフィス利用 | メンバーシップ |
---|---|---|---|---|---|
メールボックス・プラス | あり | あり | − | − | − |
テレフォン・アンサリング | − | − | あり | − | − |
バーチャルオフィス | あり | あり | あり | − | あり |
バーチャルオフィス・プラス | あり | あり | あり | あり | あり |
ひとつずつご紹介します。
国内外の一流のビジネスアドレスを、あなたの会社の住所としてご利用いただけるベーシックなプランです。
都内であれば銀座・六本木・赤坂・新宿など、ビジネスパーソンの人気エリアを中心に展開しています。
また郵便物の受け取り、ご指定先への転送などのサポートもご利用いただけます。
必要最小限のサービスに絞って初期費用を抑えつつ、ブランド力の高い住所を使用したい方におすすめです。
リージャスのテレフォン・アンサリングは、電話代行に特化したプランです。
あなたの会社専用の電話番号をご用意し、指定した電話番号への転送や受付スタッフによる電話代行(有料)をご利用いただけます。
少人数スタッフで運営している企業や、業務中に電話を取ることが難しい方におすすめのプランです。
メールボックス・プラスとテレフォン・アンサリングを組み合わせたプランです。
一流のビジネスアドレス取得とともに、あなたの会社専用電話、郵便物や電話の転送、ボイスメールのご利用が可能です。
個室オフィスの利用はできませんが、世界3,300拠点が利用可能となるメンバーシップのサービスもご利用いただけます。
日本のみならず、世界中を飛び回るビジネスパーソンにおすすめのプランです。
バーチャルオフィスのサービスに加え、個室オフィスを月5日までご利用いただけるプランです。
ビジネスアドレスや郵便物・電話の応対だけでなく、オフィスのご利用も必要な方に最適なプランといえるでしょう。
定例の打ち合わせでワークスペースが必要な方や、来客時に対応できる場所を用意したい方におすすめです。
メンバーシップのサービスもご利用いただけるため、出張・外出が中心で各地に作業空間を確保したい方にも、リージャスのバーチャルオフィス・プラスがおすすめです。
リージャスのバーチャルオフィスは利用目的に合った多彩なプランをご用意しています。
一等地の住所で、質の高い秘書業務の代行サービスを受けたい方におすすめです。
またバーチャルオフィスだけではなく、必要に応じてオフィス・会議室・テレビ会議室などの実務スペースを割引で利用できる点も、リージャスを選ぶメリットといえるでしょう。
用途に応じたプランと質の高いサービスをご用意しています。
ここまで格安のバーチャルオフィスの特徴と注意点について、ご紹介してきました。
本記事の内容を以下にまとめました。
本記事のまとめ
● 需要の拡大を受け、バーチャルオフィスに参入する業者が増えている
● 格安バーチャルオフィスは、エリアやオプションの価格設定に注意が必要
● 格安バーチャルオフィスを選ぶ際には4つの注意点がある
● 値段だけでなく、利用目的にあったバーチャルオフィスのプランを選ぶべき
● 安心してバーチャルオフィスを利用したい方は、拠点数や利用者が多いリージャスがおすすめ
ビジネスを始める上で初期費用を抑えることは重要ですが、費用にばかりに目がいってしまうと、後々のトラブルに発展しかねません。
バーチャルオフィスはさまざまな面で便利に利用できますが、長期的な利用を踏まえて事前の下調べは必須となります。
リージャスのバーチャルオフィスでは、質の高いサービスを取り揃えてお客様をお待ちしております。
ぜひご検討ください。
この記事の執筆者:
日本リージャスホールディングス株式会社
世界120カ国、3,300拠点、ユーザー数800万人のネットワークを有するフレキシブルオフィスの最大手、リージャスグループ(IWG社)。その日本国内事業展開を担う日本リージャスホールディングス株式会社は、1998年の事業開始から現在までに47都市、172拠点(2022年6月末時点)を開設してきました。その強みは出店地域の特性に応じて様々なタイプのフレキシブルオフィスブランドを展開している点です。国内のリージャスは、高級ブランド「Signature」(シグネチャー)、コミュニティ型の「SPACES」(スペーシズ)、ハイグレードな「Regus」(リージャス)、リズナブルな「オープンオフィス」、交通機関隣接型「リージャスエクスプレス」の5ブランドを展開し、多くの皆様に快適なフレキシブルオフィスを提供しています。